男性不妊 1
案外、多いんです
赤ちゃんがほしい。
それは不妊治療に取り組む夫婦の共通の願い。
今、不妊の原因の約半分は男性側にあるとも言われています。
けれど、そうした現実が置き去りにされがちなのも日本の不妊治療を取り巻く現状です。
男性不妊って、なんですか?
一般に、2年以上避妊なしで性交をしても妊娠しない場合で、その原因が男性側にあると考えられるものをいいます。
具体的な要因は以下のように挙げられます。
① 性機能障害
勃起障害、射精障害(逆行性射精、射精不能など)、高度の尿道下裂、早漏、遺精、滑精など
② 造精機能障害
突発性造精機能障害、精索静脈瘤、高プロラクチン血症、精巣炎、ムンプス精巣炎、停留精巣、クラインフェルター症候群などの染色体異常、その他化学素因・放射線・温熱・重金属・ダイオキシン等の環境汚染など
③ 精子機能障害
精嚢炎、前立腺炎、精巣上体炎、免疫学的障害など
④ 精路通過障害
医原性精管切断、炎症後精路閉塞、先天性精管欠損症、副性器の発達障害による閉塞(精巣上体・精嚢・前立腺・射精管)など
・・・ なんて羅列されたら、いやになっちゃいますね。
イメージとしては、
◆ 健全な精子が育っていない
(乏精子症、無精子症、精子無力症など)
◆ 精子が順調に運ばれてこない
(精索静脈瘤、精路閉塞、他上記など)
◆ 性交がうまくできていない(EDなど)
と考えていただくとよいでしょう。
中には精子の通り道を外科的に処置することで、健全な精子が流れ出し、自然妊娠が可能になることもあります。
(精路再建術等)
また、ここで注目すべきことは、
男性不妊の約80~90%が造精機能障害で、その中でも突発性(原因不明)とされているものが 約50~70% あるということです。
この数字は、
「男性不妊患者のうち 約40~60% に有効な西洋医学的な治療法が確立されていない」と読み取ることもできます。
こうした男性の多くは、一見すると全くの健康体であることが多く、
実際に、健康面では一切の問題がないとびきり元気な男性もいます。
そんな男性は不妊検査を勧められた途端、自尊心を傷つけられたようで不機嫌になってしまうこともありますが・・・
中医学理論は、この突発性造精機能障害にアプローチすることが可能と考えます。
漢方で治療するって、どうするの?
漢方的な男性不妊の取り組みでは、ご本人の訴えと体質を重要視します。
● 元気がないタイプ
疲れやすい、食欲がない、下痢しやすい、性欲低下、インポテンツ、乏精子症、運動率低下、早漏、奇形率が高い、射精無力など
● ストレスが多いタイプ
イライラする、我慢することが多い、ため息が多い、性欲減退、インポテンツ、早漏、不射精、精子減少、高プロラクチン血症など
● 血液どろどろタイプ1
肩凝り・頭痛がある、目の下にクマがある、顔色が黒い、タバコが好き、精索静脈瘤、インポテンツ、陰茎のしこり、前立腺肥大、不射精、閉塞性無精子症、乏精子症など
● 血液どろどろタイプ2
痰がでる、脂っぽいものが好き、太り気味、性欲低下、インポテンツ、陰茎のしこり、慢性前立腺炎、前立腺肥大、乏精子症、精液不液化、運動率低下など
● 暑がりタイプ
暑がる、突然怒り出す、尿が黄色くて臭う、脂っぽいものが好き、飲酒が多い、インポテンツ、血精症、膿精症、精液不液化、死滅精子が多い、運動率低下、奇形率が多いなど
● のぼせタイプ
顔がのぼせる、手足がほてる、怒りっぽい、頻尿、尿量が少ない、寝汗が多い、性欲亢進またはインポテンツ、勃起頻繁、早漏、遺精、精液量少、乏精子症、運動率低下、死滅精子が多い、精液不液化など
● 寒がりタイプ
元気がない、寒がり、明け方に下痢しやすい、尿が透明、尿量が多い、腰がだるい、インポテンツ、早漏、滑精、乏精子症、運動率低下、死滅精子が多い、性欲低下、精液稀薄、奇形率が高いなど
こうした体のクセを読み解き、
体質の偏りを整えることで、精子の質を向上させることが可能となる
と、わたしは考えます。
そして何より大切なこと、
それは、ご夫婦ふたりが歩み寄ることかもしれません
パパとママが仲良しでいると、
・・・ タマゴちゃんは、それが一番うれしいはずだから
→ 男性不妊 2 へ続きます
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