産後の養生 ~ 出産後のママたちへ

2013年1月14日 (月)

冷えると痛みますか?

腰の痛み! 関節のしびれ?

 

ぁ痛 た、た、た、た Σ( ̄ロ ̄lll)

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寒くなると、

そんな風に声を上げていることはありませんか?

 

「神経痛がひきつるように痛むのよ。」

という70才代女性。

「子供を産んでから、疲れてくると腰痛がひどくて。」

という30才代女性。

「いつも痛いけどな。この頃、寒いとしびれて切ないんだよ。」

という80才代男性。

この頃、店頭でお聞きした声です。

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痛みは、つらいです。

病院に行って 「産後はそんなものですよ。」 とか 「年をとったら仕方ない。痛み止めでも出しておきましょうか。」 と言われたら、

なんとなく、がっかりした気分になってしまいますね。

 

東洋医学の“痛み”との向き合い方は、西洋医学とは少し異なります。

 

漢方では、

患者さんの訴えを何より大切に考えます。

いつから痛むの?

どんなときに痛いの?(季節、天候、体調、気分など)

温めると楽になる? それとも、冷やすと気持ちよい?

などなど。

それから、顔色や舌(舌の上の苔も)の状態も注意深く観察します。

こうしたことから、西洋医学的な検査数値に現しきれない体の変調を読み取ることが可能となります。

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関節炎、変形性関節症(膝、手、足、股関節など)、慢性関節リウマチなどの膠原病、神経痛、脊柱管狭窄症、変形性脊椎症、痛風など

関節や腰に痛みを生じる病気はたくさんあります。

痛みの原因がわかれば、整形外科や内分泌科などを受診してきちんと治療してもらうことが大切です。

けれど、

痛みの原因がはっきりしなかったときや、「仕方ないから、その痛みとうまく付き合っていって下さい。」 なんて言われてしまったときはどうでしょう。

東洋医学は、そうした痛みにきちんと向き合います。

 

東洋医学は体全体のバランスや、自然界や環境との調和をとても大切に考えます。

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冷えて痛いときは、温めて

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疲れて痛みがつらいときは、元気を補い

ストレスがたまって痛くなるなら、体から上手にストレスを抜いて

寝ているときに痛くてしょうがなくて動くと楽になるなら、骨周りの血流をよくして

雨降りの日に痛むなら、関節から湿気を抜いて Photo_12 

出産や加齢で骨や関節が繊細になっているなら、体内で温かい血液を育てながら骨や筋・腱を丈夫にして冷えから関節を守る

など

一見当たり前のように思えることですが、

この対応が痛みの改善のためにとても深い意味をもってきます。これは机上の空論ではなく、

中医学理論をもって適確な方剤を組み合わせることで、現実的に可能となります。

 

その痛みを、あきらめないで  

そんなきっかけが、漢方薬にはきっとあります。

 

痛みからの解放のために、

漢方では、同じ病名でも体質や年齢、季節により選ぶ漢方薬は違ってきますし、違う病名でも体質が同じなら同じ薬を選ぶこともあります。

【異病同治、同病異治】

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のくらいの期間飲めば痛みが楽になるのかは、その人の体の状況により大きく違ってきます。

また、漢方薬の選択には患部だけでなく全身の状態も考慮しますので、服用を続けるうちにいつの間にか痛み以外の気になる症状も改善していくということがしばしば見られます。

まずはご相談ください。

 

赤堀薬局では、

先日、脊柱管狭窄症の手術を控えた患者さま・Aさんとのご縁がありました。こうした痛みは、最先端の医療技術と医師の卓越した手腕により劇的に改善することがあります。

手術が成功し順調な回復を見せているAさんに、執刀医が驚いてこう言ったそうです。

「回復が早いですね

患部の状態やリハビリの進み具合が、通常の2倍(3倍?)の早さで回復していたとのこと。

Aさんには、手術の少し前から

骨を強くしながら骨髄を元気付けることのできる漢方薬をお飲みいただいていました。

こうしたケースは、決して珍しいことではありません。

東洋医学の知恵は、

西洋医学的治療と併用しても、相乗効果を生み出しさらに患者さまに役立つものとすることが可能なんですね。

それには一人一人の病状にぴたりと合う漢方薬を選ぶことが大切です。

 

皆さまに、そうした漢方の知恵とのご縁が訪れますように

 藤枝 焼津 島田 御前崎 牧之原 静岡

赤堀薬局では、お電話のみのご相談はご遠慮させて頂いております。

遠方よりせっかくお電話くださった皆さまには大変申し訳ございません。優秀な漢方家は日本全国に点在しております。皆さまがそんな出会いに恵まれますように  

 

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2012年11月12日 (月)

産後の尿漏れ☆大人のおねしょ?

打ち明けにくいの

 

咳やくしゃみをしたら、

「あ・・・、下着が冷たい

そんな経験はありますか?

 

人には打ち明けにくい尿の悩み。

ある統計によると、

軽い症状を含め、妊娠中に尿漏れを経験した人は約60%。

妊婦さんの半数以上が経験していることですから、恥ずかしいことではありませんね。

中には出産直後に尿が出ずらくなったり、まったく出なくなってしまったり、

尿意が鈍くなってトイレに間に合わなくなったり、

笑っただけで尿漏れを起こしてしまうケースもあります。

 

どうして漏れるの?

骨盤の底には骨盤底筋という筋肉がハンモック状にめぐり、骨盤内の臓器を支えています。

妊産婦の場合、

子宮が大きくなってこの骨盤底筋が緩んでくると、

骨盤の中の臓器が支えきれなくなり膀胱が下がってきてしまうことがあります。下がった膀胱は外部からの刺激を受けやすくなり、ちょっとした刺激で腹圧が上がって尿が出てきてしまいます。

さらに骨盤底筋の緩みは尿道を締める働きを弱めることにもつながり、ひどい場合には子宮などの性器脱がおこることもあります。

赤ちゃんが産道を通る時には骨盤底筋が引き伸ばされたり切れることがあり、特に子宮口が開いてから5時間以上かかった場合や3500g以上の赤ちゃんだったという場合には骨盤底筋が受けるダメージが大きくなりやすいといわれています。【腹圧性尿失禁】

また、妊娠中には大きくなった子宮が膀胱や尿道を圧迫することで尿が漏れ出やすくなるケースや、出産直後に膀胱知覚を伝える神経がダメージを受けるため尿意を感じにくくなってトイレに間に合わず尿漏れを起こすというケースもあります。

出産の際は赤ちゃんが骨盤底筋の中心を貫く産道を通り抜けるので、筋肉は最大限に伸び、尿意を感じさせる神経が傷付けられる例があります。【切迫性尿失禁】

 

出産してよろこびに満ちる頃、

ママの体には、お産のダメージが深く残されているんですね。

 

どうしたらいいの?

まずは、自分でできることから始めましょう。

骨盤底筋群を鍛えましょう!

① トイレで ・・・ 一度で尿をすべて出さずに途中で2~3回尿を止めてみましょう。

尿道に神経を集中させて、途中でお腹にきゅっと力を入れるのがコツです。

② ①の要領をつかんだら、寝る前や目覚めたときに布団の中で骨盤底筋を締めるトレーニングを20~30回やってみましょう。

③ 椅子に座りながら、また立つ時などに肛門を締めてみましょう。

 

以上はちょっとした時間にできる簡単なトレーニング方法です。

最近のフィットネス業界では、骨盤底筋だけでなく腹筋やお尻、内腿の筋肉を一緒に鍛えた方が回復が早まるとされています。

ベビーカーでお散歩をする時には、内股をクロスして歩いてみるのもいいですね。

骨盤底筋のトレーニング方法は、他にもバランスボールや骨盤用ゴムチューブ、さらしを使う方法もあります。 子育てしながらのトレーニングは大変ですが、合間を見つけて簡単なことからチャレンジしてみるとよいでしょう。

 

産後一年以上経っていても治る?

尿漏れが一年以上続いている場合は、それだけ母体のダメージが大きかったことが推察されます。

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出産時の産婦人科的なダメージだけではありません。

 

母体は

妊娠中は、胎盤を通して胎児に栄養(血液)を与え続け、

出産時には、たくさんの出血と共に渾身の力を振り絞って赤ちゃんを誕生させます。

産後は十分に休む間もなく、授乳と育児の生活に追われていることでしょう。

 

20歳代で出産した人や、食欲が旺盛でストレスがない人などは、

産後の肥立ちも順調で、普通の生活をしていても十分に産後のダメージから回復できることが多いのですが、、、

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疲れやすい、声が小さい、汗が多い、体がだるい、食欲がない、食べた後お腹が張る、便がゆるい、胃下垂、子宮脱、痔、脱肛など

【脾気虚弱】、【脾気下陥】

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生理の量が少ない、手足がしびれる、筋肉がひきつる、目がしょぼしょぼしてはっきり見えない、夜になると目が見えにくい、めまい、顔色が蒼白、髪がやせる・パサつく、乾燥肌など

【肝血虚】

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我慢することが多い、怒りっぽい、生理不順、生理前に胸が張って時に痛む、ため息が多い、咽がつかえるなど

【肝気鬱結】

上記が思い当たる人は、

ダメージを克服する“自分の力”が、産後に弱まりやすいと考えられます。

 

漢方理論では、

質の良い血液を筋肉に届けながら、

弱まった骨盤底筋などを回復させ、

下垂した膀胱や子宮などの内臓を上に引き上げることが可能です。

また、膀胱や腎臓を元気づけることで、

尿の悩みの他、Photo_14 

腰がだるい、足が疲れやすい、腰をもむと気持ちよい、頭がぼーっとする、忘れっぽい、抜け毛が多い、歯がもろい、寒がり、手足がほてる、頻尿、夜中にトイレに起きるなど

【腎陰虚】、【腎陽虚】、【腎気不固】、【膀胱湿熱】

など、上記の症状が一緒に改善されていく例もあります。

大人のおねしょも同様ですが、

深刻なおねしょの場合は、治るまでに少々時間がかかることがありますことをご了承ください。

 

お母さんの元気は、

赤ちゃんに最高にうれしい心の栄養です

 

漢方薬は、お母さんの笑顔を応援します

 

 

深刻な尿漏れの場合、

西洋医学的には手術、電気療法、薬物治療、リングの挿入などさまざまな治療法があります。

一度、産婦人科、婦人科、泌尿器科などを受診して相談してみることも大切です。

 

一人で悩まなくていいんです。

誰かがきっと、あなたの悩みに寄り添えるはずだから

 

 

流産や早産のあと、ときに尿漏れや頻尿などの症状に悩まされることもあります。

赤ちゃんを失った切なさと体の不調。

それはどんなにお辛いことでしょう。

出会えなかった赤ちゃんには ~ありがとう~ を。

そして、あなたを大切に思う誰かのために、あなたの元気を取り戻しましょう

漢方薬は、きっとそんなあなたを応援できます。

 藤枝 焼津 島田 静岡 御前崎 漢方 薬局

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2011年10月 8日 (土)

イライラ Mama 、してますか?

それは、ママと子供のSOS

 

かわいい子供。

自分のお腹を痛めた大切な子供。

子供は元気いっぱい、きかん坊。

まだまだルールを知らない子供達は、大人の言うことを簡単には聞いてくれません。

やさしくしてあげたかったはずなのに、いつの間にか・・・

○△ してるママ

 

そんな経験はありませんか?

 

大声で怒鳴ってしまったあとで後悔しているママがいたら、

それは治せることかもしれません。

ママ達のイライラは特別です。

そのイライラの多くは、

性格よりも体の癖から生じている可能性もあるからです。

 

体の癖って、どんな癖?

ママ達の体は、数年間に渡って血液を消耗しています。

妊娠中はほぼ十ヶ月間、その体内で胎児に栄養を与え続け、出産時には大量の出血と共に渾身の力を振り絞って赤ちゃんをこの世に送り出し、

その後は十分に休む間もなく授乳と育児の毎日が続いてきたママ達。

胎盤を通る栄養分もお乳(ちち)も、ママの血(ち)と同じ。

顔色が蒼白、唇に血の気がうすい、肌がくすんでいる、乾燥肌、小ジワが増えた、髪がパサつく、冷え性、めまい、目が疲れる、はっきり見えない、手足がしびれる、筋肉が攣りやすい、生理の量が減る、疲れやすい、便が出にくい、爪が薄くて折れやすい、生理のあとに頭痛がする、ときに胸がドキドキする、眠りが浅い、不眠など

【肝血不足】

お産による消耗は、大きな負担となって母体にのしかかります。 それは、男性にはなかなか想像し難いものなのかもしれません。

産後の回復が充分でない母体は

次第に育児に疲れ、女性としての輝きを失ってしまうことすらあります。

 

どうすればいいの?

妊娠・出産・育児で失った血液を補うこと

それはママ達の心に安らぎを呼び込むための一番最初の取り組みです。

婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

ドロっとした褐色の液体にお湯を注いで、いただきます

カップから上る湯気に口を近づけると、生薬の香りがふわっと鼻をかすめ、

うーーん、甘い

一瞬、安らいでいる自分に出会えます。

体に良質な血液が満ちてくると、女性の心は落ち着きを取り戻してくるから不思議です。

授乳中のママなら、

きっと、赤ちゃんがよろこんでお乳を飲みだす様子に気付くはず。 お乳の質にも変化が現れるのね。

 

それでもイライラしちゃう?

妊娠前の体質が、生理前になると胸が張りやすかったという女性は、

出産後に乳房にしこりが出来やすかったり、お乳が詰まりやすいといったトラブルに見舞われることもあります。

我慢することが多い、気分がふさぐ(憂うつ感、落ち込み)、怒りっぽい、脇が張って痛む、ため息が多い、ゲップが出る、お腹が張る、咽がつかえっぽい、生理不順、生理前に胸が張って痛む、緊張すると腹痛や便秘・下痢になりやすいなど

【肝気鬱結】

こうしたタイプの女性は、

体の中のエネルギー(気)を解き放ってあげましょう

中医学では、

そうすることで「体に良質な血液を作り出す準備が整う」と考えます。

【肝主蔵血、肝主疏泄】

逍遥丸(しょうようがん)

わたしの大のお気に入り。

この漢方薬を構成する薬味は体にやさしい生薬ばかりなので、授乳中の赤ちゃんへの影響を考えても加味逍遥散よりだんぜん安心です。

黒い玉をいくつかぱっくり。

飲んだ途端に

イライラ気分がすーっと消えていくの

やさしい漢方がこんなに効いて・・・、いいんです

 

猛烈な怒りがこみ上げて、どうにも治まらない

はっと気付いたときには、右手が大きく振り上げられていた。

我に返れば、子供が大声で泣いていた。

毎日、反省と自己嫌悪を繰り返してしまう

そんなママ達の体には、ある傾向が見られることもあります。

頭が張って痛む、めまい、顔や目が赤っぽい、突然怒り出す、口が苦い、咽が乾く、胸が焼けつくように痛む、耳が聞こえにくくなる、鼻血が出る、尿が黄色い、便秘など

理性ではわかっているはずなのに、自分では怒りを抑えられなくなってしまう体。

【肝火上炎】

そんなタイプの人は、

燃え上がる怒りの炎を消してあげましょう

消し方は体質によって千差万別。

消防車の放水のような消し方から花に水を浴びせるような消し方まで、選べる漢方薬は多々あります。

体の奥でくすぶる“怒りの残り火”に気付いたら、あなたはきっと変われます。

多分、わたしはその火を消すお手伝いができるから。

 

 

子供は世界で一番、ママが好き。

ママの笑い声を聞きたくて、

ママの笑顔を見たくて、

ママの暖かい手と、手をつなぎたい。

だからママには、やさしいママでいてほしい。

ときには怒って、ときには叱って、それでもそのあとにぎゅっと子供を抱きしめてあげられたら、

子供はやっぱり、ママが大好き

 

 

あなたに合った漢方薬を選ぶためには、あなたに会ってお話を聞くことが大切です。

漢方薬の専門家は各地に点在しています。

あなたが信頼できる漢方家と出会えますように☆

 

産後の回復力は人によって大きく異なります。

中でも高齢出産をした女性や日頃から貧血症や疲れやすいなどの症状をかかえている女性は産後のケアに十分な配慮をしていただくとよいでしょう。

それはあなたのためだけでなく、

誰より赤ちゃんのために必要なことだから

 

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2010年5月10日 (月)

産後に髪が痩せる? 目が乾く?

「 ういざん(初産)のあとはオジも惚れる

 

そう遠くないむかし、

50年ほど前までは、日本でも初産といえば二十歳前後が一般的でした。

この年頃の女性は、身も心も出産のダメージがもっとも少ない年代といえるでしょう。 若い妊産婦の多くは内臓機能が充実しているため、胎児に栄養を供給しても、赤ちゃんにお乳を飲ませても、余りあるほどの血液を生み出せます。

「胎児と血液」「お乳と血液」については、“妊娠体質になりましょう” をご覧下さい。

 

母体が良質な血液で満ちていれば、

肌はきめ細やかに輝き、髪はしっとりと潤います

          【髪は血余 / 髪は血液の余りでできていますよ、という意】

ホルモン分泌が盛んで、丸みを帯びたカラダの若い産婦。

その潤んだ瞳に見つめられたら、

「身内のおじさんまでもが惚れてしまうほどですよ。」

とは、ひと少し昔の女性ならみんなが知っていた事実です。

 

『35歳以上で初産を迎えた母体は、若い母体よりも産後うつ(産後精神病)にかかる確率が2倍以上高い。

1983-2000年に国内で出産を経験した約75万人のデータを基に調査を実施した結果、35歳以上の初産婦が産後90日以内に精神病を患った確立は、19歳以下の初産婦に比べて2.4倍も高いことが明らかになった。 / スウェーデン・カロリンスカ研究所Karolinska Institute  (米科学誌「Public Library of Science」 より)   【2009.2.12 AFP】

同文献において、

糖尿病や高体重の赤ちゃんを産んだ女性では産後精神病を発症するリスクはむしろ少なく、喫煙や子供の父親不在といった事柄についての関連性は認められなかったとのこと。

以上のことから、

産後うつの発症は、環境要因よりも産婦自身の栄養状態(血虚/陰血不足)に起因することが推測されます。

産後うつについては “マタニティー・ブルー” をご覧下さい。

 

上記の記事は産後うつに限定した論文ですが、

中医学的には、

産後うつも

産後の乾燥肌や、目の乾きやしょぼつきも、

産後に髪の毛が痩せる、抜け毛、脱毛症なども、

すべてに共通した原因が垣間見えます。

          【異病同治 / 異なる病気も原因が同じなら同じ治療を施しますという意】

血虚(けっきょ)。

産後の血液不足については “辛いのはお好き?” をご覧下さい。

産後、お母さんの血液はお乳として毎日赤ちゃんに与えられます。

母体は、連日連夜、相当量の血液を作り出さなくてはなりません。

ここで必要となってくるのは、血液を作り出す臓腑の力。

この臓腑が疲れていると、お乳は足りなくなり、肌や髪の毛を養う分も不足してきます。 場合によっては臓腑自身をも養うことができなくなって、

動悸や不眠、関節痛、イライラ、うつ、尿漏れなど

が生じてくることもあるでしょう。

【心血虚】、【肝血虚】、【脾気虚】、【腎虚】など

20歳の女性と40歳の女性とでは、体に宿る力に大きな差があります。

それは40歳となる女性自身が一番よく知ることのはずなのですが・・・

どうした訳か、高齢出産のリスクは取り沙汰されても、出産後の高齢母体の負担はなかなか注目されません。

当然、その回復は、

20歳の産婦と同じという具合にはいきません

(もちろん、30歳で貧血がちで華奢な女性がいれば、40歳でも頑丈で逞しい女性もいます。 臓腑の力にも個人差があります。)

 

産後に目がしょぼしょぼする、肌が乾燥する、髪の毛が痩せるなど、

そんなお知らせが現れたら、体は血液を作る力を欲しています。

“産後うつ”や“産後関節痛”などが現れる前に、しっかり血液を補いましょう。

良質の血液に満ちた母体は、

あなたに宿る本来のうつくしさを呼び戻します

産後の血虚を補うのは、鉄分だけではもの足りません。

 

赤堀薬局は産後の母体を守ります。 ご相談は 月火・木金土・ に承ります。 詳しくは“ご相談のお休み日”をご覧下さい。

甘くておいしい 婦宝当帰膠(ふほうとうきこう) も人気です。

 藤枝 焼津 島田 御前崎 静岡 漢方 薬局

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2010年4月12日 (月)

産後の心変わり?

変化するのはココロ? それとも カラダ?!

 

出産を乗り越えて、幸せいっぱい

なのに・・・

ときに、そんな女性の心にひとしずくの陰が生まれてしまうことがあります。

 

旦那さんを受け入れられなくなってしまった

大好きだったはずの人なのに、なぜだか妙に嫌悪感を抱いてしまう・・・。

産後にそんな気持ちを経験した女性は、少なくないでしょう。

「理由はわからないの。」

「旦那さんとケンカをしたいわけじゃないのに、なぜだか無性に腹が立つ。」

男性にしてみれば、自分は今まで通りにしているはずなのに、自分なりに協力しているつもりなのに、自分だってずいぶん我慢しているのに、

と、理不尽に思えてくるかもしれません

 

そんな女性の心の変化に対して

「産後のホルモン分泌の変動」 が理由に挙げられることがあります。

たしかに、そうかもしれません。

女性のカラダは複雑です。

28日周期の月のリズムでホルモンバランスが変動し、それによって心が影響を受けてしまうことがあるのは否めません。 ましてや産後はホルモン分泌が激変します。 体と同じように気持ちが混乱したとしても不思議はありません。

でも、理由はそれだけでしょうか?

 

ララ的 「産後の心変わり」 の解釈。

      ~ 中医学的側面から、分析してみましょう。

産後の母体は、【血虚】の状態にあります。

【産後の血虚】について、詳しくは「産後の養生」の記事をご覧下さい。

出産時の出血に加え連日の授乳によって、産後の母体は極端に血液が不足しています。 ときには【血】と同時に【気】が足りなくなることもあるでしょう。

【血は気の母、気は血の師。】

気や血が足りなくなれば、当然それらの流れも悪くなります。

【気滞】、【血瘀】

イライラして怒りっぽい、胸やわき腹が張る、ため息をつく、げっぷやあくびが出る、喉がつかえっぽい、

肩がこる、顔色がくすむ、だるくて元気がない、声に力がない、汗がだらだら出る、触られるのを嫌がるなど。

もともと貧血気味だったりストレスを感じやすい状況にあった場合には、自力でこの状態から抜け出せなくなってしまう産婦も珍しくありません。

それでも、ほとんどの女性は育児をやめません。

「大切な赤ちゃんのために」

寝る間を削ることさえ、厭いません。

わたしたち生物は、生き抜くために気付かぬうちに取捨選択をしています。 それは本能といってよいかもしれません。

母の本能は、子供を育むこと。

それでギリギリいっぱいの状態となってしまったら、旦那さまのお相手は、

・・・ もちろん後回し。

世の男性諸君にそんなことを言っては怒られてしまうかもしれませんが、それは偽りのない産婦の生理であり、命をつなぐという本能に従った結果です。

(もちろん、家族を支えるために一生懸命働くお父さんは立派です。)

(家族はそんなお父さんに“ありがとう”の気持ちを伝えましょうね。)

 

【血虚】の状態から回復すれば、産婦の気持ちも穏やかに落ち着いてきます。

いずれは、旦那さまを受け入れる“心と体”の余裕も生まれてくるでしょう。

旦那さまの方々へ、

産後の奥さまの態度に急な変化がみられたら、少しの時間をください。

そして産婦に、消耗した血液を補うチャンスを与えてください

それは赤ちゃんのためであり、奥さまのためであり、そして旦那さまご自身のためでもあるのです

 

フロイト心理学的に解釈すれば、

赤ちゃんが男児だった場合には、こうした事例はお父さんに不利に働くことがあるのかもしれませんが・・・。

もしくは単純に、お互いに(?)愛想が尽きたなんてことになっていたら・・・

あー、人生いろいろ~島倉チヨ子♪ですね

 

産後の女性に気付いてほしいこと

産後の血液不足【血虚】は女性の美しさにも陰りを落とします。 「それどころじゃないのよ」 なんていわずに、おいしいお乳を作るためにも産後は母体を補いましょう。

産後の【血虚】は、鉄分では補えません。

漢方は、

<【血虚】の改善> イコール <おいしいお乳> イコール <きれいなお母さん>

を実現します。

産後の体調不良に効く漢方薬は、赤堀薬局店頭にてお尋ねください。

甘くておいしい婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)も大人気です。

 

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2010年2月11日 (木)

お乳がでないの!?

新ママのおっぱいが石になる?

 

生まれたばかりの赤ちゃんが大好きなもの。

それはおいしいお乳と、お母さんの笑顔です

 

授乳の瞬間には、新ママも赤ちゃん誕生のよろこびを噛みしめます。

 

この授乳が、新ママと赤ちゃんを悩ますことになるなんて・・・。

おっぱいがカチカチになってお乳がでない

赤ちゃんはお腹がすいて大泣きするし、お母さんはあげたいのに肝心のお乳が出てこない。

焦るとおっぱいがさらに硬くなって、痛くて、大パニック!なんてことも・・・

 

中医学では、

母乳の出が悪い原因はふたつ挙げられます。

ひとつは、① 母乳をつくる力の不足。 (これについては、店頭にてお尋ね下さい。)

もうひとつは、② 母乳の通り道のトラブルです。

 

乳房が張る、しこりが現れる、ときに乳房がガチガチに硬くなって、生け花のケンザンをあてられたような強い痛みを感じるなど。

そんなときは、おっぱいが詰まってしまっています。

【うつ乳】。

乳腺で作られた母乳は乳管を通って乳頭の排乳口へと運ばれます。 中でも乳管は絹糸ほどの細さしかないので、ちょっとしたことで詰まりやすい管でもあります。

 

おっぱいが詰まりやすいタイプって、あるの?

おっぱいが詰まりやすいタイプはあります。

【気滞体質/肝鬱体質】

もともとの妊娠前の体質が、

生理前に胸が張りやすい、生理前にイライラしてしまう、ため息が多い、がまんすることが多い、生理不順など

があった人は、さまざまな影響がおっぱいに反映しやすいタイプといえます。

 

おっぱいが詰まるきっかけって、あるの?

もちろん、あります。

ひとつは食事、もうひとつは気分です。

日々の食事は母乳の味に影響を及ぼしますが、その質をも大きく左右します。

刺身などの生ものや、油もの、砂糖やバターがたっぷりのケーキ、香辛料などを連日多食すると、お乳がまずくなるばかりか、お乳が粘って乳管が詰まりやすくなります。

気分も大切です。

【肝カンは疏泄ソセツを司ツカサドる】

肝はのびのびした気分が大好きです。

中医学では、乳房は肝の経絡が通るとされています。

お母さんがのびのびした気分でいられると、肝の経絡がゆるんで、乳管もちょっとやそっとのことでは詰まりません。

よくある例では、

お産のあとにお姑さんがお見舞いに来ただけでお乳が詰まってしまったとか、お姑さんの持ってきてくれたものを食べたらおっぱいにしこりが出来てしまった、なんて話もありますが・・・。

産後の母体はとくに敏感なので、ちょっとした情動の変化がおっぱいにも影響してしまうんですね。

 

おっぱいが詰まったら、どうしたらいいの?

どうにも困ってしまったら、乳房ケア専門の助産師さんや看護師さんに乳房マッサージをしてもらうとよいでしょう。

悩んでいたのがウソのようにしこりや張り・痛みがひいて、あっという間に楽になります。

普段から赤ちゃんにお乳をたくさん飲んでもらうのも効果的です。 その時は抱き方を変えて、いろいろな角度から飲んでもらうとよいでしょう。

頻繁におっぱいがしこるようなら、まずは 食事 と 気分 に配慮してみましょう。 自分だけで頑張ろうとせずに、まわりの人の理解と協力を得ることも大切ですね。

漢方薬は、“お乳が詰まりにくい体質作り” も得意です。

 

お餅がお乳にいいって、本当?

本当です。

ただし、全ての産婦によいということではありません。

上記の ① 母乳をつくる力 が不足した産婦には、とても効果があります。

地域によっては ≪ もち米 + うるち米 ≫ を1:1の配合で挽いた米粉 で作った団子汁を朝に昼に晩に食べます。

ただし、お乳を出そうとして無理に食べすぎてはいけません。 適量が大切です。 目安はおいしいと感じる程度です。

 

お乳にいいはずのお餅を食べたら、逆にお乳が詰まったという例もあります。

お餅の過食によって、体の中にネバネバとした湿気を作り出してしまうことがあるからです。

特に ② 母乳の通り道のトラブル が起こりやすい産婦は注意が必要です。

餅の弊害については 「餅とミカンとハーブティ」 をご覧ください。

もち米と同じような性質を持つものとして、甘味があります。

甘味は疲れた体を癒します。

中医学的には、甘味は胃腸(【脾胃】)を養うとされ、古来より病中病後の弱った体を補う味として重宝されてきました。

お産は重労働です。 ひとくちふたくちの甘味でほっと一息つくのもよいでしょう。

でも、食べ過ぎないように。

甘味の過食はお餅と同じように体にネバネバ湿気を呼び起こし、時として乳管を詰まらせることにもなりかねません。

 

とはいっても、心配しなくても大丈夫。

お母さんがゆったり気分でリラックスできていれば、ちょっとしたタブーなんて吹き飛ばせちゃうんです。

どーんと構えて、母は強し

 

① 母乳を作る力の不足 や ② 母乳の通り道のトラブル は、時として乳汁がダラダラと止まらないという全く逆の現象を引き起こすこともあります。

また、うつ乳 と似た症状に 乳房うっ積 や 乳腺炎 があります。

赤堀薬局では、新ママ&赤ちゃんに寄り添う知恵をご紹介します。 詳しくは店頭にてお尋ね下さい。

母乳が増えておいしくなる、ママにもおいしい~飲む漢方薬 「婦宝当帰膠」 が人気です。

 

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2010年2月 5日 (金)

マタニティーブルー

赤ちゃんが生まれたら ~ よろこびと不安と産後うつ(鬱)

 

待ちに待った赤ちゃんが生まれたら、

言葉では言い表せないほどのよろこびが、心にあふれてきますね。

しあわせな充実感をたっぷり味わえるはずのこの時、

中には不安感に押しつぶされそうになって、育児ノイローゼ 産後うつ病 と診断されてしまう産婦さんもいます。

・・・ ですが、

自分を責めないでください。

ブルーな気分の犯人は、あなたではありません。

 

中医学的に分析すると、産後の母体は 「肝血不足(肝血虚)」 「気血両虚」 に陥りがちな状態といえます。

注) 西洋医学の貧血と東洋医学の血虚は同一ではありません。 詳しくは 『辛いのはお好き?』 をご覧ください。

東洋医学では、血は肝に蓄えられると考えます。

【肝カンは七情シチジョウを司ツカサドる】。

肝がたっぷりの血で満たされてのびやかに働いていると、精神状態が落ち着いて、ちょっとやそっとのことでは動じない肝っ玉母さんになれます。

逆に、肝に蓄えられる血が不足してくると、

精神が不安定になりやすく、急に泣きたくなったり、怒りたくなったり、イライラ、不眠、無力感などが生じてきます

挙げ句に

「わたしは子育てが向いてないのかしら。」 とか、

「こんなはずじゃない。」 「もう、子育てなんかいや。」 と思えてしまうこともあるでしょう。

 

そんな時、チャンスをください。

妊娠してから 出産・授乳 と消耗し続けてきた母体に、失った血を補う機会を与えてください。

 

妊娠中に赤ちゃんを育んだ血液の分を、

出産時に失った出血の分を、

授乳で赤ちゃんに与えたお乳の分を補えたら、

あなたは、きっとあなたに備わる本来のやさしさと自信を取り戻せます

 

また、中医学では卵巣・子宮を【腎】ととらえます。

妊娠・出産を成し遂げてこの卵巣・子宮が酷使された上に、昼も夜もなく育児に勤しむ。

授乳中の母体は、知らず知らずのうちに精も根も尽き果ててしまいそうなほどに疲れきっていることもあるでしょう。

【腎虚証ジンキョショウ】。

腎には生命の根源的な力が宿ると考えます。

極端な疲労は腎を疲弊させ、時として生きる力を蝕むことさえあります。

母体に生命エネルギーが満ちてくると、育児にとりくむ姿勢にも変化が現れるから不思議です。

 

母体はまさに命をかけて、赤ちゃんを育んでいるんですね。

中医学があなたを応援します。

 

補足

【 マタニティブルー / 産後うつ 】

西洋医学的概念

出産を契機に生じる気分障害。 分娩後3~5日を頂点とし10日目頃までに生じる情動の混乱。 理由のない涙もろさをはじめとして、情緒過敏、不眠、精神的混乱、焦燥、疲労感、抑うつ気分、悲観、自殺念慮、育児への無関心などがあげられます。  欧米では30~50%の発症率とも報告されています。(『心身医学用語辞典』 『精神医学辞典』より)

その原因は

西洋医学分野では、① 出産を契機にしたホルモンバランスの激変、 ② 出産後の不眠 など今もって諸説があります。 (「ホルモンと血」および「睡眠と血」の中医学的な関連については後日にお話しましょう。)

みんなはどうだったの? アンケート回答者(2231名)

マタニティブルーを自覚したのは約3分の1の産婦さんたち。 ホルモンバランスが大きく変化する時期でもあり、睡眠も十分にとれず、育児に伴う不安が増しても不思議はありません。

 

ママ仲間の3人にひとりはこのブルーを感じていたんですね。

東洋医学的に見た産後のブルーは、分娩後の数日間だけにとどまりません。 失った血液を補えないでいた結果、数年間にわたって産後のうつ症状に悩まされる女性もいます。

赤ちゃんのためにも、元気なママを取り戻しましょう

 

産後の心と体を整える漢方薬については、赤堀薬局店頭にてご説明いたします。

赤堀薬局では丁寧なカウンセリングの後に、ひとりひとりのお体に合った漢方薬をお選びします。 

 

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2010年1月25日 (月)

産後の関節痛

どうして痛いの? ~ それはリウマチ? それとも関節炎??

 

出産という人生の一大イベントを乗り越えた新ママは、希望に満ち溢れて超ハッピー!

といきたいところですが、現実はそんなに甘くはありません。

赤ちゃんは大人の都合を考えずに夜泣きをするし、お母さんは夜中も頻繁に授乳をしなくてはなりません。

毎日十分な睡眠がとれない上、初めての子育てなら予測不能な出来事にあって不安になったり困ってしまったりで大変です。

それでもかわいい我が子のためと、お母さんはがんばりますが・・・

 

そんな産後のある日、関節がこわばる、痛い

 

その痛みは、出産後2週間目、4ヶ月目、あるいは産後一年近く経ってからと、発症の時期はさまざまです。 最初は痛みではなく、関節のぎこちなさや朝の関節のこわばりで感じることもあります。

第一子の時はなかったのに、第二子出産後に発症したという例もあります。

発症した患者さんの話によれば、婦人科では問題とされることが少なく、整形外科の受診を勧められることが多いようです。

整形外科では、

まずは慢性関節リウマチの血液検査をしたり、多発性関節炎を疑いますが、多くの場合は原因不明の痛みと説明され、ときには 「精神的ストレスによる痛み」 とか 「ホルモンバランスの乱れによる痛み」 または 「妊娠中毒症・浮腫のせい」 と説明されるケースもあるようです。

 

中医学では、

産後の関節痛の原因は明らかです。

産後の母体は 血 や 気 がとても不足した状態にあります。

(詳しくは 『辛いのはお好き?』 をご覧下さい。)

関節といえども血液によって栄養されていることは、現代西洋医学も認める事実です。 関節を栄養するはずの血液が足りなくなれば、関節は

「もっと血液をちょうだい。」

とメッセージを出します。 そこに痛みが発生します。

また、気血が関節を十分に滋養できなければ、関節はカクカクとぎこちなくなったりこわばったりしてスムーズな動きが障害されます。

子育てで必至なお母さんには「痛いくらいでないと気付いてもらえないよね」というのが関節くんの本音なのかもしれません。

 

気血の不足した関節は、ナイーブです。

湿気や寒気の影響を受けやすく、冷たい風に当たった日などに手足の関節や腰などに痛みを発症することもあります。

腕や腰や全身を動かしすぎた翌日にも、関節は敏感に反応します。

まずは 妊娠・出産・授乳 を通して失った気血を十分に補うこと

そして冷たい風に当たらない、 体を冷す冷たい飲み物や生物(生魚など)を食べない、 冷たい雨が降る日はなるべく外出しない

などを心がけて、体を冷えや湿気から守りましょう

 

出産後の関節痛は、母体からのお知らせのひとつです。

中医学がお手伝いいたします。

 

補足

産後の関節痛の中には、慢性関節リウマチ・多発性関節炎・ストレス等が原因していることがあるのも事実です。 慢性関節リウマチならきちんとした治療が必要です。  関節の痛みが日ごとにひどくなるようなら、まずは医師の診察を受けましょう。

産後の体を整える漢方薬については赤堀薬局店頭にてご説明いたします。

赤堀薬局では丁寧なカウンセリングの後に、ひとりひとりのお体に合った漢方薬をお選びします。 

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2010年1月15日 (金)

辛いのはお好き?

産後のご法度 ~ 産婦が“激辛マーボー”を食べると・・・

                                     中医学的考察

 

昨夕、某テレビ番組で江角マキコさんを見かけました。

42歳にして昨年11月30日に第二子を出産されて間もなくの出演でした。

ブレない芯の強さに母性のしなやかさが備わり、さらに輝きを増してますねーと思いながら画面を見ていたのですが・・・

 

メニューを選ぶ場面で、なんと彼女は激辛マーボー豆腐を指定したのです

だめーーー!

それはだめーーっ!

テレビの前で叫んでみても、収録画面の彼女にわたしの声が届くはずもありません。江角さんは一瞬のためらいの後に、その激辛を口いっぱいに含み・・・

悶 絶

テレビ的には絵になる映像だったかもしれませんが、出産後1ヶ月あまりのカラダに激辛はいけません。

もちろん、妊産婦は病人ではありませんが、養生が大切なのは病人と変わりありません。

 

妊娠中、母体は自らの血液を胎児に分け与えます。

出産時には渾身の力を込めて、大量の出血と共に胎児をこの世に送り出し、

産後には赤ちゃんにたっぷりと母乳を飲ませます。

母乳はお母さんの血液の化身です。乳(ちち)は血血(ち)なんですね。

新しい命は、こうして二年余りの時間をひたすら母体の献身により育まれていくのです。 母の愛とはなんと尊いものでしょう。

 

この間、母体の体の中では何が起きているのでしょうか。

与える分は作り出さなくてはなりません。

血液(母乳)を作る、自分の分と合わせて二人分。

作るには豊富な血液材料と製造現場である臓腑の充実が必要です。

若い女性なら、頭で考えずともカラダが健全に反応しますが、高齢出産年齢ともなればそういう訳にもいきません。

製造が追いつかなければ、母体は自らのカラダを削って乳を作り出します。

授乳中に痩せる

とくにダイエットしたわけでもないのに産後に痩せてきたら、それは体からのSOSのお知らせです。

20歳代なら回復も早いので危惧する必要はありませんが、アラフォー世代の授乳中の痩せは心配です。ダイエットに及んでは絶対におすすめできません。

 

授乳中の母体は常に血液不足、潤い不足に陥る危険をはらんでいます。

中医学では、この状態を陰血不足(肝陰不足、肝血虚)と呼びます。

目が乾く、目がしばしばする、はっきり見えない、頭がぼーっとする、めまい、口が渇く、肌が乾燥する、眠りが浅い、時に動悸、

ひどくなると、手足がしびれる、寝汗がひどい、喘息がでる、アトピー性皮膚炎が悪化する、突然悲しくなる、

突然怒り出す

突然泣き出すなど

産後の育児ノイローゼなども、この延長線上に生じている場合が多く見られます。

辛味はこの状態に拍車をかけます。

極端な辛味は、産後のカラダを一層消耗させてしまう味なんですね。

 

人生の一大イベントを乗り越えた産婦さんには、ご褒美に好きなものをたくさん召し上がっていただきたいのですが、

強い辛味はもう少しの間、おあずけしましょう。

 

補足

辛味は汗を出したり、体内のエネルギーを循環させたり、時として皮膚表面を潤す力も持ち合わせ、風邪薬を始めとする数々の漢方薬を構成する薬味です。

辛味は悪者ではありません。大切なのは使い方のさじ加減です。

その後、江角さんがトマトや豆乳やレンコンやメロンなど体を潤す食材を食べてくれているとよいのですが・・・。

体を潤す食材、産婦によくない食材については、赤堀薬局店頭にてご説明いたします。 産後の体を整える漢方薬もお尋ねください。

 

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