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2013年9月 5日 (木)

あなたのお肌は大丈夫?~ 白斑

美白の魔力の代償は !?

 

某化粧品メーカーの衝撃の白斑症状の発表から早2ヶ月。

実態の把握には、今少し時間が必要なようにも伺えますが、、、

 

本日、当薬局に9月4日付けのメッセージが送付されました。

メッセージの発信元は、

日本皮膚科学界、ロドデノール含有化粧品の安全性に関する特別委員会。

その内容は、

「最新報告 カネボウ“美白”問題」 NHK クローズアップ現代 (9月2日19時30分~) の放映をめぐり

補足と訂正、さらに白斑患者へのメッセージと今後の皮膚科学会・特別委員会の取り組みに関して、です。

メッセージを要約すると、次のようになります。

① ≪ 白斑は多くの患者さんで治ってきています。≫ (←以下≪≫内は原文抜粋)

多くの患者さんは、ロドデノール含有化粧品の使用を中止することで白斑部分の再生が始まり、8週間後の現在では明らかな改善が見られています。

② ≪ 2割の患者さんしか治らないのではありません。≫

特別委員会は「2割の患者さんしか治らない」とは言っていません。

白斑を生じてから化粧品の使用を中止した後、経過を追った患者さんの数が限られているため、「2割」という数値は治癒率の実態を正しく評価したものではありません。 (「現段階の報告では、完治に近い患者数は2割」との表現が適切でしょう。)

③ ≪ 色を作る細胞は残っている人も多い。≫

白斑部位の皮膚を顕微鏡下で観察すると、色を作る細胞がなくなっている方もありますが、多くの方は色を作る細胞が残っていることがわかっています。

④ ≪ 治療方法はあります。≫

1.原因になっている化粧品の使用を中止。

2.痒みや赤みがある場合は、①ステロイドやタクロリムスの外用薬(塗り薬)、②抗アレルギー薬の内服が効果的。

3.ビタミン C と E、トラネキサム酸の内服は色素増強部位の色調を改善し、皮膚の状態を改善する効果があると考えられる。

4.白斑部位に光線療法が有効との報告もあり。ただし、美しく色を戻したい場合は医師と相談をするべき。

⑤ ≪ このような化粧品による皮膚不具合を防ぐ方法を提案します。≫

日本皮膚科学界・特別委員会では、皮膚科医が主体となり以下の調査研究を行い、化粧品による皮膚不具合を防ぐ方法を提案します。

1.症例調査 : 医師が患者を診察した臨床症状、検査結果、病理組織標本を精査し、原因究明の目的のもと、現在調査中。

2.ロドデノールの作用再検討 : ロドデノールの皮膚における作用・代謝等を再度徹底的に調査研究中。

3.白斑が生じる個体の要因の検討 : 白斑症状が一部の患者にのみ発生した点を検討中。

4.情報収集システムの共有と活用 : 2014年1月よりスタート。

以上は、日本皮膚科学界、日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会、日本臨床皮膚科医会、日本色素細胞学界、厚生労働省、消費者省、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)、化粧品工業連合会、(株)カネボウ化粧品 を含む個々の企業などの協力と連携で行います。

 

番組放映後は、番組内の表現から

● 一年経っても白斑が治らない・・・

● 二年経っても白斑が治らない人がいる・・・

● 特別委員会の報告では、白斑の患者さんの2割しか治らない・・・

● 色素を作る細胞がなくなっている・・・

などの不安を増幅された患者さんがおられたのではないか、ということで

9月7日(土)の第2回特別委員会 開催を前に、上記のようなメッセージが急遽送られることになったそうです。

 

 

わたしの肌に白斑はありませんが、

顔面アトピーに悩まされるお肌のトラブル患者としては、なんだか人事に思えなくって、、、

東洋医学的な観点から、ひとつの考え方をご紹介させていただきます。

考察したいのは、特別委員会メッセージ の3. について

 

白斑が生じる個体の要因の検討 : どうして一部の人に?

東洋医学では、個体差をとても大切に考えます。

同じ寒い日でも、風邪をひく人とひかない人がいるように、同じ炎天下でも熱中症になる人とならない人がいるように、

<なる> のか <ならないのか> の差は大きく、そこを深く追求することによって確立されてきた治療法が漢方医学ともいえるでしょう。

生まれ持った体質、

食事や睡眠などの生活習慣、

喫煙や飲酒の有無、ストレス、職場環境や家庭環境などの生活環境等、議論の余地はいくらもありますが、

わたしが提言したいのは、それらの影響のもとに形作られた体質についてです。

 

白斑を中医学的に見ていくと、

その直接的な原因は 【肝】 と 【腎】 に起因すると推察されます。

(中医学の【肝】や【腎】は、西洋医学における肝・腎と同一ではありません。<臓腑弁証>

白斑部位は色素(メラニン)が抜け落ちた状態です。

一部の患者さんにおいては、この色素を作り出す細胞(メラノサイト)がダメージを受けているケースも認められています。

こうしたダメージは、【腎】が傷付けられた状態と解釈することができます。

 

【腎】の傷を増幅させる因子としては、【肝】の関与が考えられます。

【肝】は、のびやかな開放感を好みます。

反面、仕事や家事や人間関係などのストレスは、【肝】ののびやかさを失わせ【肝】の健やかな働きを妨げます。

【肝】は、連日のガマンや怒り、イライラ、緊張なども苦手です。

また、【肝】と【腎】をもろくさせてしまう要因として、陰血不足(【血虚】)が挙げられます。

(陰血不足【血虚】は、西洋医学の貧血と同一ではありません。<気血津液弁証>

この傾向は出産後の女性、特に30歳代後半~50歳代にかけて顕著に見られます。 また、長期間に渡って過労や心労、睡眠不足が続いている人も注意が必要です。

 

それは、具体的にどんな人?

あなたはいくつ当てはまりますか?

 

【腎(じん)】

□ 排尿異常がある(尿が近いまたは遠い、夜尿症、多尿など)  □ 足腰がだるい  □ 腰痛  □ 疲れやすい  □ 白髪や脱毛が多い  □ 耳鳴り・難聴  □ 頭がぼーっとする  □ 健忘  □ 白内障  □ 精力減退・インポテンツ  □ 不妊症  □ 寒がり  □ 寝汗が多い  □ 歯がぐらぐらする  □ 踵(かかと)が痛い

いくつかの症状が当てはまっていたら、あなたの【腎】がパワーダウンしているお知らせです。

 

【肝(かん)】

□ 我慢をすることが多い  □ ため息が多い  □ お腹が張る  □ ガスが多い  □ 生理前に胸が張ったり痛む  □ 生理周期がバラバラ  □生理前に体調を崩しやすい(PMS)  □ 咽がつかえっぽい  □ 急に怒ったりイライラする  □ 赤ら顔、白目が赤い  □ 口が苦い  □ 耳が突然聞こえにくくなる  □ 筋肉がぴくぴく動く、こむら返りがする

どれかが当てはまってしまったあなたの【肝】は、今、SOSサインを発信しています。

 

【血虚(けっきょ)】

□ 顔色が青白い、または黄色くくすんでいる  □ 寒がり  □ 頭がクラクラして、めまいがする  □ ときにドキドキする  □ 不眠(寝付きが悪い、途中で目が覚めやすい)  □ 手足がしびれる  □ 皮膚にもぞもぞ違和感がある  □ 生理の量が少ない  □ 生理がくると風邪をひいたり頭痛がしたりする、など

 

上記の項目のいくつかが当てはまっても‘必ず白斑が生じる’ということではありません。

ただ、同じ条件下で化粧品を使用していた場合に、他の人よりも白斑症状を発症しやすい状態にあると推測することができます。

 

どうすればいいの?

【腎】、【肝】を丈夫にして内臓のバランスを整え、良質の血液を増やしていきましょう。

東洋医学には、

そうした悩みに対応できる漢方薬がいくつかあります

また、お料理をするにも

薬膳の考え方には、【腎】を強め、【肝】をのびやかにし、【血】を増やす食材を選ぶ知恵があります。

【医(薬)食同源】

 

食材の選び方は、、、

今日はちょっと力尽きてしまったので、気が向きましたらまた後日に書き足しましょう

ここまでお目を通して下さった皆さま、ありがとうございました。

 藤枝 漢方 静岡 焼津 島田 大井川 牧之原 御前崎

この一文が

白斑症状でお悩みの方に、小さな安心をお届けできれば幸いです。

 

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