お腹の風邪、ひいてませんか?
ノロウィルス等による感染性胃腸炎にご注意ください!
去る12月6日、東京都内で <感染性胃腸炎の流行警報> が出されました。
【都内262小児科定点医療機関からの報告による第48週(11/26~12/2)の患者報告数は23.6人/定点。患者報告数が20人/定点を越えたのは都内31保健所で、管内人口の合計は東京都全体の79.7%。(東京都)】
※ 流行警報基準 : 感染症発生動向調査によ定点報告において、20人/定点(週)を越えた全ての保健所の管内人口の合計が、東京都(都道府県)の人口全体の30%を越えた場合。
わたしの住む静岡県では、
12月3日~9日の一週間で報告された患者数は18.85人/定点。
県の調査では、前年を超えるペースで大流行が疑われる警報レベルに近付いる、とされています。
そんな風にいわれると、、、
ずいぶん恐ろしい気もしてきますが、怖がらなくて大丈夫。
大切なのは、
1、きちんと予防すること
2、罹ってしまったときの家庭での対処法を知っておくこと
です。
もちろん、乳幼児や高齢者のいる家庭は十分な配慮が必要です。 ここは家族の健康のために、お母さんが大奮闘する力の見せ所です。
感染性胃腸炎って、なあに?
感染性胃腸炎とは、主にウィルスなどの微生物を原因とする胃腸炎の総称です。
原因となるウィルスには、「ノロウィルス」、「ロタウィルス」、「サポウィルス」、「アデノウィルス」などがあります。
ノロウィルスによる胃腸炎は秋から年末にかけて患者数が増え、ロタウィルスは1月~4月に生後6ヶ月から2歳の乳幼児に多くみられます。
どんな症状?
ノロウィルスやロタウィルスによる感染性胃腸炎の場合、
1~2(3)日間の潜伏期間を経て、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛、37℃台の発熱 がみられます。
ひと昔前は 「お腹の風邪」 といわれていました。
症状の程度は、個人差があります。
通常は1~2日で症状が落ち着きますが、ロタウィルスを原因とする場合は5~6日間ひどい症状が持続することがあります。 ロタウィルスによる感染性胃腸炎の場合、便が白色になることもあります。
大人は感染しても症状がみられない(不顕性感染)ことがあり、小さなお子さんの看病をするお母さんがこのタイプであることを祈るばかりです。
家庭での予防のポイントは?
1.最も大切なのは、きちんと手を洗うことです。
特にトイレの後、また調理や食事の前には必ず石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
2.患者の便や吐物を処理する時は、
使い捨ての手袋、マスク、エプロンを着用し、処理後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
吐物は適切に処理・消毒をしましょう。 ノロウィルスは乾燥に強いため、吐物が乾燥しウィルスが床から空気中に舞い上がって感染が広がることを防ぐ必要があります。
3.ノロウィルスに有効な消毒剤は、次亜塩素酸ナトリウム です。
次亜塩素酸ソーダ(NaClO)ともいいます。
次亜塩素酸ナトリウムは薬局で購入できますが、家庭ではハイターやキッチンハイターを希釈すれば十分に対応できます。
有効な希釈の方法は、
0.02%(200ppm) : キッチンハイター(ハイター) 50ml(キャップ約2杯)を 水5リットル で希釈。 家庭や施設において、トイレのドアノブや手すりなど多くの人が触れる場所の消毒に用います。
0.1%(1000ppm) : キッチンハイター(ハイター) 50ml を 水1リットル で希釈。 嘔吐物やふん便が付着した場合の処理に用います。
希釈後はすみやかに使い切りましょう。希釈した消毒液は時間の経過と共に効力を失います。
注意:① 漂白作用がありますから色落ちに注意しましょう。 ② 塩素ガスを発生させることがあるので使用後は十分に換気しましょう。 ③ 金属は腐食の恐れがあります。金属部分に使用した際は10分程度時間が経ったら水拭きしましょう。
* ノロウィルスは、逆性石けん(塩化ベンザルコニウム)や消毒用エタノールに抵抗性が強いため不向きです。
4.食品中のウィルスは加熱により感染性をなくすことができます。
特にカキなどの二枚貝を調理するときは、食品の中心温度が85℃で1分以上になるように十分に加熱しましょう。
薬はあるの?
現在、西洋医学領域では有効な特効薬はないとされ、主に対症療法が行われています。
ただ、嘔吐や下痢はウィルスを速やかに体外に排出するために体に備わる反応ですから、むやみに下痢止めを使うべきではありません。
(O-157が流行した際、下痢止めを服用した患者に死者が多く見られたとの報告も一部にあります。)
嘔吐や下痢があっても水分補給は大切です。
スポーツドリンクや薄い野菜スープ、味噌汁でも構いません。本人が飲めるもので少しづつ口に含ませてあげましょう。
小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、
ウィルスを家庭に持ち込まないこと、ウィルスを寄せつけない体を作ることも大切です。
現在妊娠中の女性や産後間もないお母さんは、
十分な免疫力の回復が間に合わず感染のリスクが高まりますので、更なる注意が必要です。
あなたの生活に、東洋医学の知恵を
◆ 日頃から体を丈夫にして、免疫力を高めておきましょう。
これは、東洋医学がもっとも得意とするところです。
冷え性で貧血気味の女性は 婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、冷え性で疲れやすい男性なら 参馬補腎丸(じんまほじんがん)、普段から風邪をひきやすい人に 衛益顆粒(えいえきかりゅう)など
◆ 子供さんの友達や職場の仲間の家族が感染性胃腸炎に罹り始めたら、
あなたの家族をウィルスから守りましょう。
板藍根や五行草のハーブティが、そんなときにお役立ちです。
板藍根(ばんらんこん) 板藍茶 板藍のど飴
【基原】 アブラナ科 Cruciferae の Isatis tinctoria L.、タイセイ I. indigotica Fort. の根。なお中国南部ではキツネノタマゴ科 Acanthaceae のリュウキュウアイ Baphicacanthes cusia Bremek. などの根が利用される。
【性味/帰経】 苦、寒 / 心・胃
【漢方的応用】 ① 清熱涼血解毒 : 瘟疫(インフルエンザ・日本脳炎など)の高熱・頭痛、大頭瘟(顔面丹毒)・胙腮(流行性耳下腺炎)の腫脹疼痛、爤喉丹痧(猩紅熱)などに、薄荷・牛蒡子・連翹・黄芩・玄参などと用いる
五行草(ごぎょうそう) 五行草茶
=馬歯莧(ばしけん)
【基原】 スベリヒユ科 Portulacaceae のスベリヒユ Portulaca oleracea L. の全草
【性味/帰経】 酸、寒 / 心・大腸
【漢方的応用】 ① 涼血治痢 : 熱毒による出血性下痢・テネスムスに用いる。細菌性の下痢の予防にもなる。 ② 解毒消腫 : 熱毒による癰腫疔毒(皮膚化膿症)・湿疹・丹毒あるいは蛇虫咬傷・蜂刺傷などに。 ③ その他 : 百日咳に単味を煎服したり、レプトスピラ症の予防に用いる。
二千年とも三千年ともいわれる東洋医学の知恵は、
ときに西洋医学が未知とする領域をも網羅していることがあります。
最近では、少数ですがそうしたことに気付く医師も現れ始め、
病院においても、細菌性胃腸炎やインフルエンザの治療に漢方薬を応用して良好な結果をもたらしているケースが全国でところどころに見受けられます。
当方では、
感染性の胃腸風邪と思わしき症状に 霍香正気散(かっこうしょうきさん) をお飲みいただいたら、びっくりするくらいの早さで治ってしまったことがありました。
霍香正気散(かっこうしょうきさん)=勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)
小さなお子さんがいるご家庭や、
受験生などを抱えてぜったい風邪をひきたくないときには、
衛益顆粒(えいえきかりゅう) や 板藍茶(ばんらんちゃ)、五行草茶(ごぎょうそうちゃ) を合わせてここ一番の大事なときを乗り越えましょう。
皆さんのご家庭に、
こうした東洋医学の知恵がお役に立てますように
漢方薬は体質、病状に合わせて選ぶことが大切です。 風邪もそれは同じです。
気なる症状がおありの場合は、漢方の専門家にお尋ねください。
藤枝 焼津 島田 御前崎 牧の原 漢方 薬局
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