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2011年4月12日 (火)

土くれのこえ

天罰と人災と?

 

ぼくは土くれ。

みんな、ぼくを思い出して。

君たちが生まれるずっと前から、ぼくは君たちを守ってきたんだ。

ぼくは、セシウムを吸着するよ。

時が経ち、植物は生まれ変わり、いつか危険もひっそりと身をひそめるだろう。

ぼくは、君たちを守ってあげる。

だけど、君たちも変わらなくてはいけないよ。

君たちは恐竜じゃない。 君たちには知恵がある。

その知恵を、正しいことに使うんだ。

 

この天災は、

君たち種族へのいましめか、

大地からの、地上を侵食する文明への警告か、

はたまた、破壊的なエネルギーを手にした人類への、神からの啓示なのか。

それは、誰にもわからない。

 

でもね、

ぼくは、ひとつだけうれしいの。

君たちは、あの日からすこし変わった。

心の中に隠れていたあたたかな思いが、誰かと誰かの絆をつむぐ。

 

そうだよ、

君たちの知恵は、そうして使えばいいんだ。

 

ぼくは、君たちを守る。

これまでも、これからも。

だから、ぼくをアスファルトやコンクリートで覆わないで。

ぼくは草がすき。

木もすき、森もすき。

 

あたたかな人の手もすき。

 

 

わたしたちの国を襲った未曾有のこの事態から脱却するために、

優秀な頭脳をもつ専門家による幾多の打開策と、使命感を胸に秘めた勇気ある行動が切に待たれます。

政治家の諸先生方におかれましては、責任の押し付け論と揚げ足取りに時間を費やされることのありませんように。  原発事故の早期収束と東北地方復興、更には日本社会の発展を目的とした議論に専心して頂きたく、切に懇願申し上げます。

電力によって、明るさと 便利さと 快適さを享受してきたわたし達は、

今回の事故を、ただ一重に東電と原子力発電のせいにして良いものでしょうか。 なんとか皆で知恵を出し合って、なんとしてもこの場を乗り越えられますように。

 

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