明日の勇気
あの地震の日から、何日経ったでしょう。
被災された方々をなぐさめたくて、
勇気付けたくて、
それでも、言葉が見つかりません。
今はたくさん泣いて、たくさん悲しんで、たくさん後悔しているかもしれない。
きっと、今はそれでいいの。
でもね、たくさん泣いたその後に、
思い出してください。
あなたの中には、生きる勇気が眠っているはずです。
その勇気を忘れないで。
きっと、あなたの明日を切り開いてくれるから。
アンパンマンのマーチ、くじけそうな時のお守りの歌になります 。
赤堀薬局の今日、
午前中の出来事 。
「まいど。」
いつも元気な S さんが、いつも通りの陽気な掛け声でお店に入ってきました。
でもちょっとだけ、いつもと違う。
そうそう、制服を着てるんです。 普段からサッカーやトレーニングで体を鍛えているSさんですから、制服を着用した姿は一段と男前です。 そう、Sさんは消防士。
「今からフクシマに行くんだよ。」
薬を手にしながら、いつも通りの陽気な声。
えっっ? フクシマ 福島? Sさんがあんまりにも普通に言うから、思わず問い返してしまいました。
消防団で出陣命令(って言うのかしら?)が出たとのこと。
心の広い屈強なSさんのことですから、被災地でもきっとすばらしい働きをして現地の方々を助けるでしょう。
あぁ、ここにも一人、ヒーローがいた。
あの地震の日以来、わたしの涙腺は幾分ゆるくなっています。
潤んでしまう目頭を隠したいのと、お餞別にドリンクの一本でもと思ってドリンクケースに駆け寄ると、
T子さんが一言、
「一箱、お持ちいただきなさい 。」
さすが、T子さんです。
Sさん、いってらっしゃい。 がんばって沢山の人を助けてきてあげてください!!
薬剤師会でも現地に赴くボランティアの薬剤師を募集しているとのことで、わたしもT子さんのお許しを請おうとしたら・・・
もちろん、不許可。
理由は明白。 赤堀薬局にはわたしがやるべき仕事が山ほどあって、微力ながらわたしを頼りにしてくれている患者さんもいて、もちろん家族の世話もしなくてはならなくて、、、 だから、人助けを謳って遠くに行かなくてもここで十分皆さんのお役に立ちなさい、ということ。
言われるだろうな、と思っていたことをすっかり指摘されてしまいましたが、T子さんの最後の一言にわたしの心はほっこり温かくなりました。
「そういうところ、あなたはあの人に似てるわね。」
「阪神淡路大震災のとき、あの人もボランティアに行きたいって言ってたわ。」
そう、わたしはY男さん似。 これがわたしのプライドです 。
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