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2011年1月21日 (金)

知人がウツになりました。

あなたはちゃんと、眠れてますか?

 

それは暑い暑い夏の日の出来事でした。

電話の受話器の向こうに、T子さんご贔屓のNさんの声。

「眠れないんだ。 どうしても眠れない 。」

いつも強気のNさんの妙に意気消沈した声色に、ただならぬ気配を感じましたが、

わたしは素知らぬ素振りでT子さんに電話を代わりました。

受話器を置いたときのT子さんの一段と深刻な表情。 それは、わたしの漢方家の血が引き締まった瞬間でした。

 

Nさん、49歳男性。 長身の筋肉質なスポーツマンタイプ。

会社では部下を大勢束ねる、仕事の出来る中間管理職。

症状は不眠。

一週間まったく眠れていないと言う。

眠りたくて大酒を飲んでみてもだめだったとのこと。

「俺、病気なんだよ。 多分、うつ病。」 

挙句には 「死のうかな。」 なんて言い出す始末。 「どうせ死ぬなら会社を辞めて、好きなことしてから死ぬのもいいさ 。」

 

ちょっと待ってーーーー!

なに言ってんのよ!死ぬ前に、会社を辞める前に、一度うちに来なさいよ !!!

と、わたしは気の進まぬ風のNさんを半ば強引に呼び寄せたのでした。

Nさんは病院に行きたくないこと、厳しく接している部下の手前、有給休暇をとりたくないこと、病院の診断書を会社に提出したくないことなどを少しづつ話してくれました。

病院に行きたくない理由は、

精神病扱いされるのが嫌なことと、過剰な薬物摂取に陥る恐怖感だとのこと。

また、一度勇気を振り絞って内科医院を受診した際に、

薬の処方を妙に拒まれて精神科の受診を進められたことも、医療への不信感を抱く要因になっていたようです。

 

Nさんの舌を見ると、

真っ赤に腫れ上がり(紅舌)、多数のひび割れがあり(裂紋)、舌の両脇には歯型がつき(歯痕)、苔はまったくなくツルツルでした(無苔、鏡面舌)。

また、Nさんは日頃からお酒が好きで、

不眠がちになってからは、寝酒目的で更に大酒を飲むようになっていました(湿熱内擾)。

仕事は多忙で、早朝に家を出て、帰宅するのは深夜に近くなっていることが日常とのこと(陰血不足)。

もともと何事にも積極的で短気な気性のNさんが、声が小さくなるほど意気消沈しているのですから、その体の消耗具合も見て取れます(肝鬱気滞気虚)。

【陰虚火旺不寝】

 

この状態では、

西洋医学では、睡眠薬と共にデパスなどの抗不安薬やMAO阻害薬、SNRI、SSRIなどの抗うつ薬等が併用されることが多いようですが、

中医学的に見れば、

今はまず、今回の不眠の元凶となっているNさんの体の中に燃え上がる炎を鎮火しなくてはなりません。

炎が鎮まってからは、再度炎上しないように消耗した体を立て直すことが不可欠です。

【滋陰降火、養心安神】

折しも、去年の夏は猛暑で、Nさんのようにお酒をたくさん飲む人は体の中も外も熱に溢れ、自ら不眠の原因を作ってしまう例が多く見られました。

 

Nさんに飲んでもらった漢方薬は

まずは、黄連阿膠湯 オウレンアキョウトウ を1週間。

この黄連阿膠湯、その味のまずさで有名な一品なのですが・・・、すっごくすっごくまずいけど、いいの?というわたしの問いに

「これで眠れると思えば、どんな苦さにも耐えられる。」

との返答でした。 漢方治療には患者さんのこの意気込みがなによりの薬になります。

初日のご本人の感想は今ひとつというものでしたが、驚くなかれ、ご家族からは「いびきをかいてたよ!」と言われたそうです。

 

次の1カ月は、煎じ薬は大変なのでもっと簡単な漢方薬にして欲しいとのこと。

瀉火利湿顆粒 シャカリシツカリュウ とペースト状の 開豊瓊玉膏 ケイギョクコウ

Nさんには、飲み忘れが続いたり減量したら効き目が減弱してしまうから、絶対たっぷり飲んでね!とお願いしました。

 

この1カ月後、来局したNさんを見てびっくり。

表情が柔らかくなり声に張りも出てきて、まるで別人のように朗らかになっていました。

出てくる言葉も 「筋トレしにジムに通おうと思って。」 とか 「ジョギングしたらもっと眠りやすくなるかな。」 と、その前向きさに更にびっくり。 Nさんからは熟眠できているとの言葉こそ聞けませんでしたが、「結構眠れている。」 と言っていただけました。

途中、会社近くの医院で処方してもらったデパス錠0.5mgとマイスリー錠10mgはほとんど飲まずに済んでいるとのこと。

 

以後、本日に至るまでの半年余り、

心と体を再びうつ的状態に陥らせないために、

また筋力を増強したいとのNさんの意向もふまえ 開豊瓊玉膏(12,000円) と 食生活の不摂生を改善するために 大高酵素の特選品(8400円) を続けていただいています。

筋力増強の秘策については 「made in ジブン な美肌?」 をご覧下さい。

大体、このNさん、納得できるものには大枚を叩いても然るべきという性分で、決して安価ではない今回の漢方治療の効果にもご満足頂けたようでした。

(それとも知り合いのヨシミなのかしら ? )

 

 

2週間以上続く不眠は、うつ病のサインです。

また、この眠れぬうつ病に苦しむ40代 50代の働きざかりの男性が増えてきているとも言われています。

中医学は、病院へ行く勇気をいまひとつ持てないお父さんを応援します。

あなたの不眠を治すために

あなたの 鬱ウツ を治すために

あなたの体を整えることから始めましょう

わたしはあなたの“ココロの風邪”を癒しましょう

 

                        (Nさんにはブログへの掲載を快く承諾していただきました。)

中医学的に不眠をとらえたとき、その原因は人それぞれに異なります。

赤堀薬局では、患者さんの訴えを大切にします。 時には仕事の悩みや人間関係の悩みに向き合うこともあります。

問診に時間を費やすこともありますので、お時間に余裕を持ってご来店いただけると幸いです。

 

余 談

「この間、会社のヤツも俺みたいになってさ。」 とNさんの弁。 「診療内科で薬を相当飲まされてるみたいで気の毒なんだけど。 結局俺の会社って、社員がそんな病気になっていくんだなぁ。」

Nさんも同僚の方も、きっとバリバリ仕事をこなそうとする立派なビジネスマンなのでしょう。 そんな方達のお力になれるご縁がありますように

 

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