不思議な類似点
北海道と、大高酵素と、なぜだかセドナ 。
5月21日から23日にかけて大高酵素の北海道・伊達小樽工場研修見学会に参加して、学んだことは山ほどあるのですが、
同行したT子さんが、途中、その印象を端的に述べました。
「ああいう(真面目な)人たちが丹精込めて作ってるんだから、大高酵素はいいものなのよね。」
・・・ ん? T子さんったら?
来る寸前まで 「絶対に言いくるめられないんだから」 なんて宣言していたT子さん。 彼女の心を動かしたのは一体何でしょう?
(T子さんはわたしと違って、超・堅実な慎重派です。)
北海道の広い大地、
ほっぺたが落ちそうなくらい美味しい新鮮な魚介類や野菜たち、
充実した研修内容と、日常業務から離れた開放感。
そのどれもが相乗効果をもって、T子さんの心を溶かしたんだろうけど・・・。
縁あって、去年、今年と二年続けて北海道を訪れる機会に恵まれたわたしですが、
今回は前回にない妙な感覚に包まれました。
「ここって、セドナに似てる。」
それは、赤裸の昭和新山を眺めたせいかしら?
十数年前、
日本人の間ではセドナを知る人はまだ少なく、
UFOオタクか変わり者の類がその地をまばらに訪れるくらいだったと思います。
計画性のないわたしと、行き当たりばったりが得意な強心臓の友人Uとのセドナの旅。 その感動は、時が経った今もまったく色褪せることはありません。
珍道中はセドナの地に入る前から、始まっていました。
滞在拠点にしていたバンクーバーを出発点として、ロスのUの友人宅に立ち寄ってからフェニックスに飛び、そこから高速バスで一路セドナへ!
のはずが・・・
高速バスを降りて、まずは腹ごしらえをしようと近くのレストランへ。 食事を運んでくれたブロンドのお姉さんが、にこやかに尋ねました。
「どこまで行くの?」
わたし達は希望に満ち満ちた声で答えました。
「セドナ。」
「どうやっていくつもり?」
「歩いて!」
お姉さんは、映画俳優のように手振りを加えてオーバーに驚きました。 その時、わたし達は本気で歩いていくつもりだったのです。
地図をもってるから大丈夫!とUが答えると、お姉さんはあきれた様子で笑いました。
食事を早々に終えて、わたし達はリュックを背負って歩き始めました。
トライアスロンで鍛えた逞しいUの肢体と、少々(?)軟弱なわたしのでこぼこコンビの出足は好調!なはずが・・・、
歩いても歩いても、風景が変わらない。
アメリカは広かったのです。
地図の距離感は、日本のそれと同じ感覚で見てはいけないものでした。 どうしよう、今日中にセドナに着けるのかしら?と本気で思ったとき、後ろから派手なクラクションが鳴りました。
「乗りなさいよ。」 声の主は、レストランのお姉さん。
あなた達があんまり無謀なことを言ってたから、気になってたのよ。 レストランが昼休みになったから追いかけてきたの。 彼女はそんなようなことを言っていました。
わたし達はすっかり彼女の好意に甘えましたが、アリゾナはそれにも増して広かった。
「わたしはここまでしか送れないわ。」
十分です。 あなたのその優しさだけでも、わたし達は本当にうれしいの。
「あっ!あそこのガソリンスタンドにバスがいるじゃない!! セドナまで行くか聞いてごらんなさいよ。」
果敢なUが屈強な運転手に駆け寄って尋ねます。 答えは “No,”。
「このバスは回送なんだ。 客は乗せないよ。」
Uと運転手とわたしの三人は、しばし絶句。 その間、Uとわたしはきっとかわいそうな子羊みたいな顔をしていたに違いありません。
最初に沈黙を破ったのは運転手でした。
「いいよ、乗せてやるよ。 だけど、インフォメーション・センターまでだぜ。」
もちろん、十分すぎるくらいよ。 ありがとう。
インフォメーション・センターに着く頃、空はすっかり夕焼け色に染まっていました。
センターの扉からは、背の高い女性が大きな看板を抱えながら出てきました。 看板の文字は“CLOSED”。 バスの運転手が、大声でわたし達の背中を押してくれました。
「急げ!」
お礼の言葉も早々に、二人はバスから駆け出しました。
「わたし達、○○ホテルに泊まりたいんです。」 息を切らしながら、唐突にその背高の女性に声をかけました。
背高女性は眼鏡の奥の大きな目でわたし達をじっと見つめてから、やさしく微笑みました。
「そこは私の友達のところね。もうバスもないから、連れて行ってあげるわ。今仕事が終わるから少し待ってて。」
Uとわたしは顔を見合わせました。
なんてこと 。
まさに幸運の連続。 善意の連鎖 。
彼らの優しさに対して、いろ紙で鶴を折るくらいのお礼しか出来なかったわたし達。
それでも彼らは三人ともわたし達を笑顔で送り出してくれたのでした。
セドナは素晴らしい土地でした。
ボルテックスと呼ばれる赤い岩山には、まさに大地の力が立ち昇ってくるような確かな存在感がありました。 名前のないような岩山でさえ、わたし達を圧倒するような、それでいて包み込んでくれるような不思議な居心地の良さを与えてくれました。
けれど、わたしが感じたセドナの魅力はそれだけではありません。
セドナへ連れて行ってくれた親切な三人、ベジタリアンのホテルのオーナー、キッチン付きの雑魚寝の大部屋で仲良くなった細身のカナダ人女性、ホテルに長期滞在する巨体のアメリカ人中年女性、滞在中に唯一出会った帰国子女系日本人、
そして、その旅へ誘ってくれた心臓に毛が生えたような自由人のU。
楽しい思い出話は尽きません。
セドナでの出会いの数々が、その地を忘れ得ぬものにしてくれました。
大地が人を育てるのか。 そうした人がそこに集まるのか。
今回、大高酵素の工場見学をして、社員の方達にほんのすこし触れて、わたしの脳裏に何故だか十数年前のセドナの旅が鮮明に思い出されました。
北海道と、大高酵素と、セドナ。
わたしの頭の中の、この関連性は何かしら?
洞爺湖で、
こんな朝陽を見たせいかしら?
答えはまだ見つからないけど
あら、不思議。
帰ってきたら、顔面アトピーが治ってる 。
【Vortex ボルテックス】 アリゾナ州セドナ SEDONA。 大地からの強いエネルギーが放出されている場所。 その地では地球の磁場が渦巻状に、又は上方向や下方向へ向かって流れているとも言われている。 キャセドラル・ロック Cathedral Rock、ベル・ロック Bell Rock、エアポート・メサ Airport Mesa、ボイントン・キャニオン Boynton Canyon、聖十字架礼拝堂 Chapel of Holy Cross が有名。
今回の回想で、わたしはボイントン・キャニオンを訪れていなかったことに気付いてしまいました 。
あー、わたしとしたことが・・・。 不覚です。
その後Uは ・・・ サンタ・マリア・ノヴェッラ Santa Maria Novella のY氏に見出され、赤坂でその個性を遺憾なく発揮していることでしょう。 自転車をこよなく愛する心優しい気配り上手なU。 そんな彼女の癒しの極上マッサージを体験したい方は、六本木のサロンへGO!
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