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2010年3月 5日 (金)

桃の節句の食養生

ひし餅と女性 ~ 中医学的な相性は・・・ 

   

女の子が誕生すると、

お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんの頭に浮かぶのは3月3日のお雛様飾りですね。

わたしの住む藤枝では、この“桃の節句”を中暦(ちゅうれき)で行います。

【中暦】 新暦の月遅れで行事をするやりかた。桃の節句は4月3日。

 

古代中国では、

桃の木には、悪しきものを打ち払う神聖な力が宿ると考えられていました。

旧暦の3月3日はちょうど桃の花が咲く頃です。 この季節の禊(みそぎ)の行事に、ケガレを祓い清める力があるとされる桃の木や花が添えられるようになったのも、ごく自然の成り行きだったのでしょう。

日本でも、

古来、宮中では上巳(じょうし:旧暦3月3日)には、桃の花を愛でたり桃の花びらを酒に浮かべて飲んだりして桃の節句を楽しんでいたようなのですが・・・

今に残る風習は、

やっぱり、お雛様とひし餅ですよね。

ひし餅といえば、赤・白・緑の三段重ねをよく目にします。

この三色のお餅、赤は先祖を尊び厄を祓う桃の花、白は清浄の名残り雪、緑は萌える若草を表しているともいわれますが、

同時に、わたし達の体を保つ知恵も込められているんですよ。

 

赤い餅

鮮やかな紅梅を表現するために色付けに用いられてきたのは、クチナシ(山梔子サンシシ)です。

一般に「解毒作用がある」といわれますが、漢方で使われるクチナシの力はそれだけではありません。

山梔子サンシシ

【基 原】 アカネ科 Rubiaceae のクチナシ Gardenia jasminoides Ellis の成熟果実。

【性 味】 苦、寒

【帰 経】 心・肺・肝・胃・三焦

【効能と応用】 ① 清熱瀉火・除煩 胸が暑苦しく不快で眠れないときや、体に熱がこもってうわごとを言うとき、目の充血や口が苦くて乾くときなどに。  ② 清熱利湿 黄疸の症状があるときや、尿の濁り・排尿痛・排尿困難に。  ③ 清熱涼血・止血 吐血・鼻血・血便・血尿・皮下出血などに。  ④ 清熱解毒 皮膚化膿症に。  ⑤ その他 打撲や捻挫による腫れ・痛み、火傷・熱傷などに生山梔子の粉末を外用する。

 

ちょっと難しかったでしょうか。

体の余分な熱を冷ましながら目の充血を取ってくれたりもしますから、

暑がりでイライラしやすい人の赤目には、もってこいですね

もともと体が冷え症で下痢しやすい人は、体を冷す力のあるクチナシ(山梔子)のお餅は食べ過ぎないように注意しましょう。

我が家でも、ひな祭りにはこのクチナシ(山梔子)で色付けしたお餅を食べる習慣なんですが、

わたしの目には、どうしても赤ではなくて・・・

“黄色”に見えてしまいます

 

緑の餅(草餅)

雪の下にのぞく、春の力強い息吹を感じさせる若草。

始めは『母子草をつく』としてハハコグサ(母子草)で草餅を作っていたのが、いつしかヨモギ(蓬)を用いるようになったということですが、

艾葉 ガイヨウ

【基 原】 キク科 Compositae のヨモギ属植物 Artemisia argyi Lev'l. et Van't.、ヨモギ A. princeps Pamp. などの若い全草または葉。

【性 味】 苦・辛、温

【基 経】 肝・脾・腎

【効能と応用】 ① 散寒除湿・止血 下腹部の冷えや痛み、月経不順、月経痛、不妊などに。  ② 温経止血 不正性器出血、月経過多、切迫流産の性器出血などに。  ③ その他 湿疹や皮膚の痒みに外用で患部を洗い流したり、ヨモギの裏葉の絨毛をお灸に用いる。

ヨモギの草餅は、骨盤内を温め月経を整えてくれるので、

冷え性で月経に悩みがちな女性には、最高のサプリメント・フードです。

ヨモギ(艾葉)は、漢方の世界ではその効能から 『婦人の要薬(大事な薬)』 といわれます。

いま妊娠中で出血がみられてちょっぴり心配していた女性や、これから妊娠準備を計画している冷え性の女性は、

今年のひな祭りには、ヨモギの草餅を食べてみてはいかがでしょう

(ひな祭りが新暦の3月3日に終わってしまった人も、ぜひこれから!)

我が家では毎年、摘んできたヨモギ(蓬)をたっぷり入れた草餅を用意します。

もちろんクチナシのお餅同様、花倉のM氏ご家族に搗いていただきます。 M氏の餅つき & 夫人の手返しの技は達人級です。

もちろん、味はいつでも最高です

 

クチナシは体を冷まし、ヨモギは温める。

このふたつを一緒に食べると、

クチナシで体を冷しすぎることをが防げると同時に、ヨモギは温める性質が緩和されて止血に強く働くようになります。

なんとも、組み合わせの妙ですね。

 

ちなみに、白い餅にはもともとは菱(ひし)の実を入れていたそうです。

【菱 ヒシ】 水草。ヒシ科の一年草。日本全国の沼地に生えており、種子は茹でて食べれる。

菱(ひし)の繁殖力の高さに子孫繁栄を願い、また菱の実を食べて千年長生きした仙人の逸話から長寿を願って餅の形をひし形にしたという説もあります。

ひし餅は、雛人形の飾りのお役目だけじゃなかったんですね。

 

話は、桃に戻ります。

わたしは、去年の桃の節句には桃の花びらをお酒に浮かべて楽しんだので

今年は、新たに桃の葉を入れたお風呂に入ってみようと思います。

体の中から外から邪気祓い!に挑戦です。

食いしん坊なアトピっ子の必需品 ~ 餅を食べたら晶三仙、酒を飲んだら五行草茶のお助けハーブティも活躍します 。 

 

山梔子サンシシ も 艾葉ガイヨウ も体に良いからといって、極端に食べ過ぎることは控えましょう。 薬効を期待する場合は、漢方の専門家にご相談下さい。

 

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