慢性疲労症候群、血液中のマーカーを発見!
慢性疲労を客観的に診断できる「血液中のタンパク質」って・・・。
5日連続の運動で極度に疲労させたラットの脳(脳下垂体中葉)にタンパク質 α-MSH が異常分泌され、血液中の α-MSH の量も上昇していることが大阪市立大・木山博資教授(解剖学)らにより発見されました。
慢性疲労症候群と診断された患者57人の血中α-MSH値は、健常人のそれと比較して優位に高く、一方、一晩徹夜した人には数値の変動が見られないことから α-MSH は短期間の疲労とは関係がないことも示唆されています。【1月7日 読売新聞より】
原因不明の激しい疲労が半年以上続く 「慢性疲労症候群まんせいひろうしょうこうぐん(CFS)」 。
これまでその診断基準は自覚症状を中心に判定するもので、血液検査の数値などの客観的な指標(マーカー)はありませんでした。
この研究成果は今後、健康診断などに活用できるのではないかと期待を寄せられています。
が・・・、
中医学分野では、
慢性疲労症候群の診察・分類にかけては西洋医学のそれに比較し、更に数歩進んでいるように感じられます。 数千年の時間をかけて、疲労は“未病”としても十分に考察を重ねてきました。
中医学(漢方)は、そもそも血液検査などがない時代に発展してきた医学ですから、血液成分を取り上げて論じる手段は持ち合わせませんが、治療のアプローチ方法はとても豊富です。
そうした中で、如何に患者本人の体に合ったアプローチを見つけ出すかが重要な鍵となります。
まず、慢性疲労を注意深く観察します。
□いつから疲労を感じているか、□どんなときに特に疲れるか、□きっかけはあるのか、□一日の中であるいは季節によって疲れ方に変動はあるか、□天気によって疲れ方に変動はあるか、□活動後に疲れがひどくなるのか、□寝ていてもひどいのか、など。
次に、疲労以外の随伴症状を聴取します。
□汗をかきやすいか、□風邪をひきやすいか、□お腹は張るか、□不眠はあるか、□嗜眠(常に寝ていたい)はあるか、□めまいや頭痛はあるか、□口は渇くか、□寝汗はあるか、□吐き気はあるか、□食事はおいしいか、□下痢や便秘はあるか、□小便は近いか遠いか、□暑がりか寒がりか、□イライラするか、□憂うつな気分(絶望感・どん底の気分など)になるか、
女性なら□生理は順調か、□出血量は多いか少ないか、□出血に塊はあるか、□生理痛はあるか、□生理前に疲れるか、□生理後に疲れるか、
男性なら□性欲低下、□性的能力の衰え、□ひげの伸びが遅くなった、□筋力の低下などを感じるか。
また、患者の外見に表れる様子もうかがいます。
□顔色はどうか(蒼白、赤ら顔、黒っぽいなど)、□声色はどうか(小さい、甲高い、声が出ない、口数が多い少ないなど)、□体系はどうか(痩せ、肥満、筋肉質など)、□動きはどうか(緩慢、機敏、落ち着きがない、焦っているなど)、□息は浅いか、などなど。
もちろん舌も観察します。
舌の色、形、大きさ、苔の有無、苔の色や性状などです。
こうして得られた情報から、患者の体の中で起こっていることを綿密に推察します。
何が 疲労 の原因で、それがどこにどう影響して、どんな変化が起きているのか。
慢性疲労症候群を引き起こす可能性があるものとして、中医学的には【気虚、気滞、血虚、気血両虚、血瘀、陰虚、痰湿、陽虚など(八網弁証、気血津液弁証)】のケースが上げられます。
その中からひとつ、気虚をとってみても、【心気虚、脾気虚、肺気虚、腎気不固、肺腎気虚、脾肺気虚、心脾両虚 (臓腑弁証、臓腑兼病弁証)】など更に多岐にわたります。 中医学ではその各々において様々な治療法が用意されています。
医師の中にも、そうした中医学(漢方)の治療を積極的に取り入れようとする方もおられますが、保険適応など幾多の壁に悩まされているのも現状です。(保険がきかない場合は薬代は自己負担となります。)
検査データは、体から発せられる情報のほんの一部です。
検査の結果に異常がなくても、あなた自身が体に不調を感じれば、それは確かな不調です 。
あなたのために、
あなたの大事な人のために、
あなたには元気でいる資格があります。
一緒に乗り越えましょう 。
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