辛いのはお好き?
産後のご法度 ~ 産婦が“激辛マーボー”を食べると・・・
中医学的考察
昨夕、某テレビ番組で江角マキコさんを見かけました。
42歳にして昨年11月30日に第二子を出産されて間もなくの出演でした。
ブレない芯の強さに母性のしなやかさが備わり、さらに輝きを増してますねーと思いながら画面を見ていたのですが・・・
メニューを選ぶ場面で、なんと彼女は激辛マーボー豆腐を指定したのです 。
だめーーー!
それはだめーーっ!
テレビの前で叫んでみても、収録画面の彼女にわたしの声が届くはずもありません。江角さんは一瞬のためらいの後に、その激辛を口いっぱいに含み・・・
悶 絶 。
テレビ的には絵になる映像だったかもしれませんが、出産後1ヶ月あまりのカラダに激辛はいけません。
もちろん、妊産婦は病人ではありませんが、養生が大切なのは病人と変わりありません。
妊娠中、母体は自らの血液を胎児に分け与えます。
出産時には渾身の力を込めて、大量の出血と共に胎児をこの世に送り出し、
産後には赤ちゃんにたっぷりと母乳を飲ませます。
母乳はお母さんの血液の化身です。乳(ちち)は血血(ち)なんですね。
新しい命は、こうして二年余りの時間をひたすら母体の献身により育まれていくのです。 母の愛とはなんと尊いものでしょう。
この間、母体の体の中では何が起きているのでしょうか。
与える分は作り出さなくてはなりません。
血液(母乳)を作る、自分の分と合わせて二人分。
作るには豊富な血液材料と製造現場である臓腑の充実が必要です。
若い女性なら、頭で考えずともカラダが健全に反応しますが、高齢出産年齢ともなればそういう訳にもいきません。
製造が追いつかなければ、母体は自らのカラダを削って乳を作り出します。
授乳中に痩せる 。
とくにダイエットしたわけでもないのに産後に痩せてきたら、それは体からのSOSのお知らせです。
20歳代なら回復も早いので危惧する必要はありませんが、アラフォー世代の授乳中の痩せは心配です。ダイエットに及んでは絶対におすすめできません。
授乳中の母体は常に血液不足、潤い不足に陥る危険をはらんでいます。
中医学では、この状態を陰血不足(肝陰不足、肝血虚)と呼びます。
目が乾く、目がしばしばする、はっきり見えない、頭がぼーっとする、めまい、口が渇く、肌が乾燥する、眠りが浅い、時に動悸、
ひどくなると、手足がしびれる、寝汗がひどい、喘息がでる、アトピー性皮膚炎が悪化する、突然悲しくなる、
突然怒り出す 、
突然泣き出すなど 。
産後の育児ノイローゼなども、この延長線上に生じている場合が多く見られます。
辛味はこの状態に拍車をかけます。
極端な辛味は、産後のカラダを一層消耗させてしまう味なんですね。
人生の一大イベントを乗り越えた産婦さんには、ご褒美に好きなものをたくさん召し上がっていただきたいのですが、
強い辛味はもう少しの間、おあずけしましょう。
補足
辛味は汗を出したり、体内のエネルギーを循環させたり、時として皮膚表面を潤す力も持ち合わせ、風邪薬を始めとする数々の漢方薬を構成する薬味です。
辛味は悪者ではありません。大切なのは使い方のさじ加減です。
その後、江角さんがトマトや豆乳やレンコンやメロンなど体を潤す食材を食べてくれているとよいのですが・・・。
体を潤す食材、産婦によくない食材については、赤堀薬局店頭にてご説明いたします。 産後の体を整える漢方薬もお尋ねください。
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