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2010年1月11日 (月)

生殖医療 「着床遅延」

受精卵が子宮の中を泳いで ~ 休眠中!fish??

 

受精卵が子宮内で浮遊したまま着床せずに胚盤胞のまま成長を休止。胚はその後も生き続け、やがて着床・出産に至る症例がある。【2009.10.11 日本中医薬研究会女性大会にて、講師:足立病院不妊治療センター所長・中山貴弘先生】

中山貴弘先生の臨床経験の中でも、7日間の着床遅延をみた症例があったそうです。

まさに生命の神秘。

目からウロコか、晴天の霹靂(へきれき)級の驚きでした。

 

研修から戻ってその話題が忘れられず、 「着床遅延」 という現象についていくつか文献を調べてみると、さらに興味深いことがわかりました。

自然界において、着床遅延はさほど珍しい現象ではないようです。

クマ類やイタチに始まりアザラシ、カンガルー、アカシカ、マウスなどなど。

Photo 

着床遅延は、あのかわいらしいパンダ(大熊猫)にも確認されていました。

パンダセンターのお母さんパンダの妊娠期間は最短89日から最長184日と大きな差がありますが、これは着床遅延期間によるものと認識されています。

着床遅延は、実際にどのくらいの期間(日数)?

pencil クマを例にとれば、

クマの交尾期は5月上旬~8月上旬。 12月頃に着床。 その間、実に120日~210日前後。

この半年あまりの期間、受精卵は母胎の子宮内でフワフワと浮遊しながら成長を止めてじっと着床の時を待ちます。

なぜ、着床遅延するの?

pencil 厳しい自然界では、懐胎は生命の神秘であると同時に、生命存亡の危機でもあります。

天候の変化などにより飢餓状態に陥るような時に妊娠・出産をすることは、胎児だけでなく母胎の生命すら脅かしかねません。

クマの場合、越冬前の母胎の栄養状態が悪ければ、それまで休眠していた受精卵は着床せずに体外に排出(流産)され、母体はそのまま冬眠に入ります。

着床遅延のメカニズムは?

pencil 着床遅延のメカニズムは現在研究中で、その全貌はまだ明らかにされていません。

ですが、わかってきたこともあります。

着床遅延時の胚は、DNA合成を含む一連の代謝が著しく抑制されている。

そして、どうやらこの現象は母胎側からコントロールされているようだということです。

つまり、母胎の栄養状態(子宮環境)が胎児を育てられる状況にあるか否かによって、母胎からある種の生理活性物質が分泌され、その結果、受精卵の休眠・着床遅延が発現しているというのです。(この件については現在研究が進められています。)

 

自然界では、

着床遅延は、母子共に生き延びるためのひとつの手段であり、その選択権は母体が握っているといってもよいでしょう。

もちろん、選択権とは母体の栄養状態(子宮環境)であって、心情ではありません。

母胎が満ちることこそが、受精卵の着床成立に必要なことなのですね。

 

人工授精や体外受精などの不妊治療を受けている女性に向けて・・・

まずは母体の準備を整えて、

タマゴちゃんの居心地がよくなる子宮環境をつくりましょう shine

タマゴちゃんは、温かな血液に満ちた、フワフワな子宮内膜が大好きです confident spa

子宮は赤ちゃんのベッドです。

わたしたちがお手伝いします flag

 

補足

想像妊娠と呼ばれる現象の中にも、着床遅延の末に流産していたという例があるかもしれませんね。

休眠は、冬眠する動物だけに見られる現象ではありません。クマムシやカブトエビの卵はガラス化することで何十年も休眠を続け、ハスの種なら数千年もの間、生きながら眠り続け発芽の時を待つこともできます。

妊娠準備を整えて 「その時」 を待ちましょう bud

 

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