仏さまと握手!?
仏手(ぶしゅ) 来たる♪
16日早朝、月に一回の定期便の I さんが世にも珍しげな物を手に携えて入ってきました。
黄色く色付いた子供の頭ほどの物体、そこから香るほのかな酸味。
挨拶もそこそこに、わたしは声をあげました。
「仏手!? 」
I さんの手には、まさに男の人の手の大きさを優に超える立派な仏手(ぶしゅ)がのっていました。香り高い大きな獅子柚子(ししゆず)と一緒に。
仏手(仏手柑ぶしゅかん)はその縁起の良さから 「三果文(さんかもん)」 とも呼ばれ、桃や柘榴(ざくろ)と並び陶磁器などの美術工芸品の絵柄に好んで用いられてきました。
不老長寿の珍果として、
また瑞兆の果実として、
正月の床飾りや生花、お茶花の鑑賞用としても珍重され、果ては婚礼やその他の慶事の際にも登場する摩訶不思議な“おミカン”です。
鼻先に近づければ、その優雅な香りに一瞬夢見心地となるでしょう。
インド東北部原産の ミカン科ミカン属シトロン変種 のこの果実は、独特の姿から 『仏陀の掌』 を連想させるとしてその名を与えられたということです。
英名は Buddha’s hand 。
この植物、生薬としても立派な経歴を持ちます。
仏手(ぶしゅ)
【処方用名】 仏手、仏手柑、仏手片、鮮仏手、陳仏手
【基 原】 ミカン科 Rutaceae のブシュカン Citrus medica L. var. sorcodactylus Swingle の成熟果皮。
【性 味】 辛・苦・酸、温
【帰 経】 肝・脾・胃・肺
【効 能】 ① 舒肝和胃・行気止痛 ~ お腹の張った痛み・膨満感・つかえ・嘔吐・食欲不振などに、香附子・木香・青皮などと用いられます。 ② 止咳化痰 ~ 痰の多い咳に用いられます。
現在、厚生労働省が認める210処方中には仏手を含む方剤はありませんが、その効能は陳皮に並びます。
明日は愛猫とびまるの初七日です。
そんな日に、この瑞兆の品を頂戴するとは思ってもみませんでした。
とび、よかったね。
わたしは取りあえず、こちらの仏さまの手と握手。
とびと皆さんにご利益がありますように 。
I さん、ありがとう 。
お正月が明けたら、こちらの仏手はハーブティに、あちらの仏手にはマーマレードに変身していただきましょう。
合掌 。
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