生殖機能を失ったはずの高齢マウスが出産に成功!
卵巣凍結保存による妊娠・出産
2009年8月6日に報じられたニュースです。
生後70日の若齢時に摘出し凍結保存していた卵巣を、その後高齢となり生殖機能を失ったマウスに自家移植(自分の組織を自分に移植すること)し、出産に成功させました。【明治大学大学院農学研究科と加藤レディスクリニック】
自家移植をほどこしたマウスは8匹。
そのうち6匹に正常発情周期が回復し、2匹が妊娠。うち1匹がオスとメス計2匹を出産しました。現在2匹の子マウスは正常に発育しているとのことです。
タイムリミットに悩まされながらも妊娠を望む女性は大勢います。8月6日の日本受精着床学会でのこの発表は、そうした女性達に明るいお知らせとなるでしょう。
ただ、高齢出産年齢を目前にひかえた女性にとってはふたつの点が懸念されます。
ひとつは、
妊娠適齢期の卵巣を保存できているかどうかです。
卵巣組織の摘出・凍結・解凍の技術は飛躍的に進歩した現代医学ですが、妊娠を望む女性の中で若い卵巣を凍結保存できている症例はごく少数に限られたことといえるでしょう。
適齢期には自身が不妊とは思わずに年を重ね、卵巣組織の凍結保存という手法を知らないままにいつの間にか高齢出産年齢に近づいているという女性が多く見られるのも現実です。
ふたつ目は、自分の年齢に危機感を感じた時、
体内の卵巣が健康な若さを保てているかどうかです。
渡米して卵巣組織の摘出・凍結保存を申し込んだ *A子さん(30代女性)は、摘出前の検査で 「あなたの卵巣は老化しています。凍結保存をするに価しません。」 と申し込みを却下され、手術をされないまま帰国したとの実話があります。
ひとつ目の問題は、自身の人生設計や危機管理によるところが大きいので何ともいえませんが、ふたつ目の体内の卵巣年齢については朗報があります。
卵巣を若返らせることは可能です。
もちろん簡単なことではありません。
しっかりと問診をした上で、体の中の状態を詳細に捉えバランスの崩れに注視して中医学的見地から補うべきものを補い、同時に余っているものを体から取り去ります。
また人によっては睡眠・食事・仕事等の生活習慣を見直すことが必要となる場合もあります。
そうしたケアの末に、卵巣や子宮を始めとする全身の若返りが可能となります。
東洋医学はカラダをより良く保つことにかけての知恵の宝庫です。その知恵は漢方薬にとどまらず、衣食住などの生活全般にわたる奥深さがあります。
そんな漢方の知恵がお役に立つご縁が、悩める皆さまに訪れますように
*A子さん(30代女性) ・・・ その後A子さんは39才で自然妊娠し、現在出産に備えて元気に妊娠生活を送っています。
卵巣組織の凍結保存は現在、日本国内でも腫瘍治療等の一環として試みられていますが、この記事は卵巣凍結保存を推奨するものではありません。
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